高齢者が歯を失う本数が増える最大の理由は歯周病の増加です。
平均的な数値で、20代を過ぎると、30代で1本、40代で2本、50代で5本、60代で11本、70代では17本と失う歯が徐々に増加していきます。
50代後半からは急激に歯の本数が減少する傾向がありますが、これらは虫歯や歯周病が増えたためではなく、症状が徐々に進行した結果です。
加齢は運動能力や免疫力、記憶力の低下など、身体の様々な部分に変化を及ぼしていきますが、お口のなかでもそれは同じです。
歯や歯ぐき、あご、唾液、お口の中の粘膜などにも変化が多く現れてきます。
歯のすり減りや、歯の根元のむし歯は高齢者によくみられるお口の特徴でもあります。
他にも、味覚にも変化がみられることがあります。
舌は加齢に伴い厚みが減少して、表面の凹凸も無くなっていきます。味を感じる場所の数などに変化が生じ、味覚が低下すると考えられています。また、味覚は唾液の量が減少することによって低下するため、お口の中の乾燥には注意が必要です。
歯科衛生士長 恩田和